稀に、データが消えてしまい御自身で何とかしようと色々試してみたが復旧できなかったので何とかして欲しいという御相談があります。

御自身で試してみる事はとてもいい事です。
ですが、それが致命的になってしまっている事がかなり多くあります。

例えばパソコンが1台しか無く、データが消えてしまった為に慌ててネットで複数の無料復元ソフトを探してインストールしてみたがダメだった、仕方ないので有料の復元ソフトを購入して試してみたがそれでもダメだった、というケースがあります。

このケースの場合、データが消えてしまったパソコンそのものしか無いという点が問題で、ネットで復旧ソフトを探してダウンロードした時点で復旧不可能になる確率が高くなります。
何がいけないのかと言うと、ダウンロードした復旧ソフト自体の保存やインストールなどによって、復旧したいデータがあったハードディスク上の場所を上書きしてしまった可能性があるのです。
状況によっては探している時点で閲覧したWebサイトの情報が履歴やキャッシュで上書きしてしまうこともあり、その場合もアウトです。

イメージ的には紙に鉛筆で文字を書き、消しゴムで消してしまったが書いた痕は残っている。しかし、その書き痕に新たな文字を書き込んでしまった、と言えば理解しやすいでしょうか・・・。
かえって分かりにくいかもしれませんね^^;

ですので、データの消えてしまったパソコンはすぐにシャットダウンして、復旧用に使う他のパソコンに復旧ソフトを入れ、復旧したいデータの入ったハードディスクを取り出して復旧用パソコンに接続して復旧するのが望ましいです。
もちろん復旧データをそのハードディスク自体に復旧することは厳禁です。復旧したばかりのデータそのもので復旧着手前のデータが書き込まれていた部分が上書きされてしまう可能性も大きいためです。

つまり、データの復旧を行なう場合には、復旧すべきデータのあったハードディスクには絶対に何も書き込まないと言う前提が必要となります。
でないと、ネット上にある無料のデータ復旧ソフトで十分復旧可能なものであっても、自ら復旧率を下げてしまう事になりかねません。