部屋によっては無線ルータの電波が届かないケースがあります。
無線ルータの設置場所から非常に遠い部屋では電波が弱くなるのも仕方ない事ですが、それほど遠くもないのにかなり電波が弱いと言う事もあるのですが、無線ルータの設置場所が影響している事が多くあります。

まず無線ルータは設置場所の周りに家具などの障害物が無い方がベストです。
電波は金属ですと通り抜けずに反射してしまいます。金属製の家具などに収納するとかなり減衰します。金属でなくても障害物があると通り抜ける電波は程度の差こそありますが減衰します。
木材やガラスなどは比較的通り抜けやすく、金属やコンクリートは通り抜けにくい材質です。

最近のマンション等では配線の関係で無線ルータは玄関脇にあるシューズクローゼットの中などに設置されるケースも多くありますが、パソコン等を使用する部屋からは遠い場所ですし、シューズクローゼットの中という事は周りが障害物で囲まれているという事で電波の減衰が起こり易いです。
密閉とまではいかなくとも扉のついた家具の中に設置するのは排熱の意味から言っても良くはありません。
なるべく障害物の少ない場所に設置する方が条件的には良い訳です。

また、出来る限り高い位置にある方が基本的には電波の飛びが良くなります。
厳密には、家具等で電波が遮られにくく、遮られた場合であっても反射した電波が有効に利用されるケースが多くなりやすいことから、飛びが良くなる事があります。
(厳密には使用している電波の種類や、障害物の種類によっても違うため、一般論です)

よく見かけるのは無線ルータを床に設置しているケースです。
天井に近いほど家具等は少なく、床に近いほど多いのは当然ですから、設置場所が低ければ障害物で電波が邪魔されやすくなるわけで、ハイパワーの無線ルータであっても少し離れた場所では届きにくくなってしまいます。(反射した電波も利用されますので一概には言えませんが)

家の中の壁や天井等は仕方ありません。
壁等を通り抜けてくれる電波や、反射して回り込む電波などを期待するしかありません。
使用されている建材によっても違うので何とも言えず、設置してみないと分からない部分はあります。
木造家屋であっても断熱材などの建材に金属箔や金網が使用されていたために電波の減衰が大きく、壁や天井を隔てただけで別の部屋には全く届かないという事も実際にあります。

しかし、通常の一般家庭では無線ルータの設置場所を変えるだけでかなり改善するケースも非常に多くあるので、なるべく高い、障害物の少ない場所を基本として、色々と動かしてみると言うのも一つの手です。

また、電波を飛ばしたい方向とは逆の方向に金属の板を置いてみる方法もあります。
例えば、無線ルータの設置場所から東に飛ばしたい場合には、無線ルータの6センチくらい西側に金属板を反射板として設置すると言うような感じです。
家庭にあるアルミ箔でも可能ですがもう少し厚めの金属板の方がいい気がします。
無線ルータからは基本的に360度全方向に電波が出ているので、飛ばしたい方向とは逆の背後に出ている電波を強制的に反射させてしまうという理屈でかなりの効果が出る事もあります。
但し、この方法は利用している無線LAN電波の規格によっては効果が出ない場合や、逆効果になる事もありますので御注意下さい。

それでも届かない、もしくは電波が弱い場合には、無線LAN中継器を利用する手もあります。
無線LAN中継器の利用についてはいずれ書こうと思います。